分野別対策2026年度試験対応
宅建の従業者証明書とは?名簿・帳簿・業者票との違い【2026年版】
宅建業者の事務所では、従業者証明書、従業者名簿、取引帳簿、宅地建物取引業者票、報酬額表を別々の目的で管理します。名称が似ていても、携帯する物、事務所に備える物、公衆へ掲示する物、取引関係者へ見せる物は同じではありません。この記事では、対象者・場所・相手・期限の四軸で違いを整理します。
- 公開日
- 2026年8月3日
- 更新日
- 2026年8月3日
- 読了目安
- 約22分
- 法令基準日
- 2026年8月3日

宅建業者は、代表者や一時的な補助者を含め、宅建業の業務に従事させる者へ従業者証明書を携帯させ、取引関係者から請求があれば提示させます。証明書の有効期間は5年以下です。一方、従業者名簿と取引帳簿は事務所ごとに備え、業者票と報酬額表は公衆の見やすい場所へ掲示します。名簿は最終記載から10年、帳簿は事業年度末に閉鎖して原則5年、自ら売主となる新築住宅の帳簿は10年保存します。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 従業者証明書は業務中に携帯し、請求時に提示する
- 従業者名簿は事務所ごとに備え、最終記載から10年保存する
- 帳簿は取引の都度記載し、閉鎖後5年または10年保存する
- 業者票と報酬額表は公衆の見やすい場所へ掲示する
01結論:証明書は携帯、名簿と帳簿は備付、業者票と報酬額表は掲示
宅建の従業者証明書を覚えるときは、書類名から暗記せず、誰がどこで何をするかへ分解します。従業者証明書は、宅建業の業務に従事する本人が携帯する物です。従業者名簿と取引帳簿は、宅建業者が事務所ごとに備える記録です。宅地建物取引業者票と報酬額表は、公衆の見やすい場所へ掲示する表示物です。
閲覧や提示の相手も違います。従業者証明書は、取引関係者から請求があったときに本人が提示します。従業者名簿も取引関係者の請求に応じて閲覧へ供しますが、取引帳簿には同じ一般閲覧の仕組みを当てはめません。業者票と報酬額表は、請求を待たず公衆から見やすい状態にします。
保存期間は名簿と帳簿で起算点まで異なります。従業者名簿は最終の記載をした日から10年、帳簿は各事業年度末に閉鎖して原則5年、自ら売主となる新築住宅に係る帳簿は10年です。試験では数字だけを覚えず、『何の記録を、どの時点から、何年間か』を一組にしてください。
| 対象 | 基本動作 | 置く・持つ場所 | 相手または保存 |
|---|---|---|---|
| 従業者証明書 | 携帯・提示 | 業務に従事する本人 | 取引関係者の請求時に提示 |
| 従業者名簿 | 備付・閲覧 | 事務所ごと | 最終記載から10年保存 |
| 取引帳簿 | 備付・記載 | 事務所ごと | 閉鎖後原則5年、新築住宅は10年 |
| 宅地建物取引業者票 | 掲示 | 事務所・法令所定の場所 | 公衆の見やすい場所 |
| 報酬額表 | 掲示 | 業務を行う事務所ごと | 公衆の見やすい場所 |
02携帯・備付・掲示・保存は、それぞれ別の義務を表す
携帯とは、対象者が業務に従事するときに証明書を持っている状態です。事務所のキャビネットに全員分をまとめて置くだけでは、従業者証明書の携帯にはなりません。反対に、名簿や帳簿は従業者が一冊ずつ持ち歩く物ではなく、事務所単位で継続して管理します。
備付とは、必要な記録が事務所に整い、法令上必要な更新や閲覧・確認へ対応できる状態を意味します。紙のファイルが机の上にあるかだけでなく、その事務所の従業者や取引を漏れなく記録し、必要なときに取り出せることが重要です。電子記録を使う場合も、後述する表示・出力の条件を満たします。
掲示は、社内向け保管とは違い、公衆の見やすさが基準です。業者票や報酬額表を受付の奥へしまう、文字を読めない位置に置く、古い免許期間のまま残す運用では目的を果たせません。保存は、退職や年度終了で役目が終わった直後に捨てず、法定期間中に過去の状態を追えるよう残す動作です。

| 動作 | 確認質問 | 誤りやすい状態 |
|---|---|---|
| 携帯 | 業務中の本人が持っているか | 会社に一括保管して本人が持たない |
| 備付 | 事務所別の最新記録を出せるか | 本店に全支店分を置くだけ |
| 掲示 | 公衆が必要な情報を読めるか | 受付の内側や古い様式のまま |
| 保存 | 起算点と期間を記録したか | 退職時・決算時に直ちに廃棄 |
03従業者証明書の対象には代表者・非常勤役員・一時的補助者も含まれる
国土交通省の解釈・運用の考え方は、従業者証明書を携帯させる範囲に代表者、いわゆる社長を含めています。さらに、宅建業法上の従事者の範囲へ非常勤役員と、単に一時的に事務を補助する者を加えると示しています。役職が高いから不要、短期の応援だから不要とは整理しません。
対象を決める場面では、雇用契約の名称だけでなく、宅建業の業務へ実際に従事させるかを見ます。受付、物件案内、契約事務の補助などで一時的に現場へ入る者についても、業務開始前に証明書と名簿への反映を確認します。一時従事者の証明書は、その者が業務に従事する期間に限って発行します。
従業者証明書を発行した者は、すべて従業者名簿へ記載するという連動も重要です。証明書発行台帳と名簿を別担当が管理する場合、入社日、配属日、発行日、業務開始日がずれて漏れやすくなります。業務に入れる条件を『証明書発行・本人交付・名簿記載』の一組で確認します。
| 人の例 | 宅建業務への関与 | 管理上の結論 |
|---|---|---|
| 代表者 | 宅建業者の代表として業務に従事 | 役職だけで除外せず携帯対象 |
| 非常勤役員 | 宅建業務に従事 | 勤務日数だけで除外しない |
| 一時的な事務補助者 | 期間限定で業務を補助 | 期間に合わせた証明書と名簿記載 |
| 他部門の者 | 宅建業務へ従事させない | 職務実態を確認して区分 |
04従業者証明書は本人が携帯し、取引関係者の請求時に提示する
宅建業者は、従業者に従業者証明書を携帯させなければ、その者を宅建業の業務に従事させてはなりません。証明書は取引現場で本人の立場を確認するための物なので、名刺、社員証、宅建士証を代わりに見せれば足りるという扱いではありません。国土交通省が公表する別記様式第8号を基準に作成します。
従業者は、取引の関係者から請求があったとき、証明書を提示します。常に全員へ自発的に提示する義務と、請求を受けたら提示する義務を混同しないでください。ただし、請求があってから事務所へ取りに戻る運用では携帯義務を満たさないため、外出・案内・現地対応を含め業務中の所持を確認します。
従業者証明書には、氏名、業務に従事する事務所の名称と所在地、有効期間、免許証番号、商号または名称、主たる事務所の所在地、代表者氏名などを現行様式に沿って記載します。事務所が変わったときは様式の備考に従って変更後の内容を裏面へ記入し、会社側の名簿や人事記録とも一致させます。
| 証票 | 示すもの | 主な場面 | 代替できるか |
|---|---|---|---|
| 従業者証明書 | 宅建業者の従業者であること | 宅建業務中の携帯・請求時提示 | 社員証や名刺では代替しない |
| 宅建士証 | 登録を受けた宅建士であること | 重要事項説明時の提示等 | 従業者証明書とは別 |
| 一般の社員証 | 会社内部の身分 | 入退館・社内確認 | 法定様式の代替ではない |
05証明書番号は雇用年・雇用月・個人番号で組み立てる
別記様式第8号の備考は、従業者証明書番号の付し方を定めています。第1桁・第2桁は雇用年を西暦で表した下2桁、第3桁・第4桁は雇用月、第5桁以下は従業者ごとに重複しない番号です。例えば2026年4月に雇用した場合、先頭4桁は『2604』になります。
番号は名簿の検索キーにもなります。発行のたびに担当者が任意の短縮番号を作ると、同じ番号の重複や、証明書と名簿の不一致が起きます。雇用年月の根拠、個人別番号の採番ルール、再発行時に同じ番号を使うかの社内手順を文書化し、現行様式の備考を優先します。
証明書の有効期間は5年以下です。『5年間でなければならない』ではなく、上限が5年である点に注意します。一時的に業務へ従事する者は、その従事期間に限って発行します。退職、配属変更、有効期限到来、紛失などの場面ごとに回収・変更・再発行を管理します。
| 項目 | 現行様式のルール | 確認例 |
|---|---|---|
| 第1・2桁 | 雇用年の西暦下2桁 | 2026年なら26 |
| 第3・4桁 | 雇用月を2桁 | 4月なら04 |
| 第5桁以下 | 従業者ごとに重複しない番号 | 社内で一意に管理 |
| 有効期間 | 5年以下 | 一時従事者は従事期間に限定 |
06従業者名簿は事務所ごとに、一時従事者まで記載する
従業者名簿は、宅建業者がその事務所ごとに備える記録です。本店が支店分を人事システムで管理していても、各事務所について法定事項を確認できる状態を作ります。別記様式第8号の2には、氏名、従業者証明書番号、主たる職務内容、宅建士であるか否か、当該事務所の従業者となった日・でなくなった日などの欄があります。
一時的に業務へ従事する者も記載します。証明書を短期間だけ発行した者を名簿から除くと、発行履歴と従事実態を追えません。代表者や役員は主たる職務内容へ役職名を記入し、それ以外は総務、人事、経理、企画、設計、広報、営業などに区分し、可能な限り所属組織名も付すという解釈が示されています。
記載すべき事由が生じた場合は2週間以内に記載します。入社だけでなく、退職、事務所間異動、職務内容や宅建士該当性の変化を拾います。変更・訂正では、変更前の文字を読めなくするのではなく、なお読めるように残すという様式上の注意もあるため、紙でも電子でも履歴を追える設計にします。
| 欄 | 記載する内容 | 更新契機 |
|---|---|---|
| 氏名・証明書番号 | 本人と発行証明書を対応 | 採用・発行・氏名変更 |
| 主たる職務内容 | 役職または職務区分・所属 | 配置・職務変更 |
| 宅建士か否か | 該当者に所定の表示 | 登録・資格状態の変化 |
| 事務所への在籍期間 | 従業者となった日・でなくなった日 | 配属・異動・退職 |
| 一時従事者 | 短期でも同じ名簿へ記載 | 業務開始・終了 |
07名簿は請求時に閲覧へ供し、最終記載から10年保存する
宅建業者は、取引関係者から請求があったとき、従業者名簿を閲覧に供します。従業者証明書と同じく請求者は『取引関係者』ですが、行為は証明書の提示と名簿の閲覧で異なります。誰にでも従業員の人事資料一式を渡す制度ではないため、法定名簿と社内人事ファイルを分けて管理します。
名簿の保存期間は、最終の記載をした日から10年間です。退職者一人ごとに10年を数えると考えるより、その名簿に最後の記載をした日を記録し、保存満了日を管理します。事務所廃止やシステム移行の際も、保存期間が残る記録を削除しないよう移管先を決めます。
閲覧対応では、請求者が取引関係者に当たるか、対象事務所と期間はどこか、どの方法で閲覧に供したかを記録しておくと運用が安定します。これは法定名簿の記載事項を増やすという意味ではなく、個人情報を無制限に開示せず、法令上の閲覧義務へ適切に対応するための社内管理です。
- 1.取引関係者からの請求内容を確認する
- 2.対象となる事務所の法定名簿を特定する
- 3.紙面または要件を満たす電子表示で閲覧へ供する
- 4.対応日時・範囲を社内記録へ残す
- 5.最終記載日から10年の保存満了日を維持する
08取引帳簿は事務所ごとに備え、取引の都度記載する
取引帳簿は、その事務所が扱った宅建業の取引を後から確認できるようにする記録です。宅建業者は事務所ごとに帳簿を備え、取引があった都度、年月日、対象となる宅地または建物の所在・面積、契約内容、物件内容など施行規則所定の事項を記載します。月末に記憶でまとめるのではなく、取引完了の工程へ記載を組み込みます。
売買、交換、貸借では記録すべき内容が同一とは限りません。自ら売主となる取引か、代理・媒介か、売買等か貸借かを最初に区分し、現行の施行規則第18条に対応した入力項目を使います。契約書や重要事項説明書を保存していても、法定帳簿そのものの備付けを省略できると考えないでください。
帳簿は従業者名簿と違い、取引関係者の請求に応じて一般閲覧へ供する制度として規定されていません。『事務所に備える書類はすべて請求時に見せる』という覚え方は誤りです。行政庁の検査や社内照合へ対応できるよう、契約番号、物件、当事者、担当事務所を一貫して追える状態にします。
| 比較点 | 従業者名簿 | 取引帳簿 |
|---|---|---|
| 記録対象 | 事務所の従業者 | 宅建業に関する各取引 |
| 更新時期 | 記載事由から2週間以内 | 取引のあった都度 |
| 取引関係者の閲覧 | 請求時に閲覧へ供する | 同じ閲覧規定ではない |
| 保存の軸 | 最終記載日から10年 | 年度末に閉鎖し5年または10年 |
09帳簿は年度末に閉鎖し原則5年、新築住宅の自ら売主は10年保存
取引帳簿は各事業年度末に閉鎖し、閉鎖後5年間保存するのが原則です。従業者名簿の『最終記載から10年』とは、期間も起算点も違います。保存期限をファイル名や保管箱へ単に『5年』とだけ書かず、対象年度、閉鎖日、法定区分、廃棄可能日を記録します。
例外は、宅建業者が自ら売主となる新築住宅に係る帳簿です。この帳簿は閉鎖後10年間保存します。新築住宅の売買契約書だけを10年残せばよいという話ではなく、その取引に係る法定帳簿の保存期間が延びます。売主か媒介か、住宅か、それが新築に当たるかを案件登録時に判定します。
同じ年度の帳簿に5年区分と10年区分が混在するなら、短い期間で一括廃棄しない仕組みが必要です。実務では長期区分を別管理する、案件単位で保存満了日を持つなどの方法があります。これは法定の様式を変更する指示ではなく、保存誤りを防ぐための運用例です。最終的には現行法令と免許行政庁の案内で確認します。
| 記録 | 起算点 | 保存期間 | 注意する条件 |
|---|---|---|---|
| 従業者名簿 | 最終の記載をした日 | 10年 | 退職日から一律ではない |
| 取引帳簿の原則 | 各事業年度末の閉鎖 | 5年 | 年度と閉鎖日を管理 |
| 自ら売主の新築住宅の帳簿 | 各事業年度末の閉鎖 | 10年 | 媒介・中古住宅と区分 |
10宅地建物取引業者票は事務所等の公衆の見やすい場所へ掲示する
宅建業者は、その業務を行う事務所と法令で定める案内所等ごとに、所定の標識を公衆の見やすい場所へ掲げます。事務所に掲げる宅地建物取引業者票は、免許証そのものを壁へ貼る制度ではありません。国土交通省が公表する現行の別記様式第9号に、免許証番号、有効期間、商号または名称、代表者、事務所代表者、専任宅建士の数、主たる事務所所在地などを表示します。
2025年12月1日以降の事務所用様式第9号は、縦25センチメートル以上、横35センチメートル以上です。これは事務所用の現行様式の寸法であり、案内所や分譲場所に用いる別の様式には異なる寸法・記載項目があります。すべての標識を25掛ける35と一括暗記せず、場所と様式番号を対応させます。
商号、代表者、事務所情報、専任宅建士の数、免許有効期間などが変わったときは、変更届だけで終わらせず業者票も現状へ合わせます。公衆が見る表示なので、改定前の紙を上から小さく訂正して読めない状態にせず、現行様式と行政庁の案内に従って差し替えます。
| 確認軸 | 事務所の業者票 | 注意点 |
|---|---|---|
| 場所 | 公衆の見やすい場所 | 社内だけが見える保管場所ではない |
| 様式 | 別記様式第9号 | 案内所等は該当する別様式を確認 |
| 寸法 | 縦25cm以上・横35cm以上 | 2025年12月1日以降の現行事務所様式 |
| 更新 | 免許・会社・事務所情報と一致 | 変更届と掲示差替えを連動 |
11報酬額表は業務を行う事務所ごとに、公衆へ見やすく掲示する
宅建業者は、その業務を行う事務所ごとに、国土交通大臣が定める報酬額を公衆の見やすい場所へ掲示します。業者票が免許・事務所情報を示すのに対し、報酬額表は媒介・代理などで受けることができる報酬の基準を示します。二つは目的が違うため、業者票だけ掲げて報酬額表を省くことはできません。
北陸地方整備局の案内は、令和6年6月21日国土交通省告示第949号で定めた報酬の額を掲示するよう示しています。報酬制度は取引種類や価格、消費税、特例によって読み分けるため、古い早見表を流用せず、現行告示に対応した掲示物を使います。この記事では金額を固定して転載せず、改定時に公式告示を確認する手順を優先します。
掲示の点検では、入口や接客場所から読めるか、他の案内物に隠れていないか、現行の報酬制度へ更新されているかを見ます。デジタルサイネージに関する国土交通省の明示的な解釈は宅建業者票について示されたものです。報酬額表まで同じ条件で電子掲示だけにできると自動的に広げず、免許行政庁へ確認します。
12名簿と帳簿は、必要時に明確な紙面表示ができれば電子記録で管理できる
国土交通省の解釈・運用の考え方は、従業者名簿の法定事項をコンピューターのファイルや電磁的記録媒体へ記録し、必要に応じてコンピューターやプリンター等により明確に紙面表示できる場合、その記録を名簿への記載に代えられるとしています。取引関係者へ閲覧させる際は、紙面またはディスプレイ等の画面に表示します。
取引帳簿も、法令所定の事項を電子記録し、必要に応じて明確に紙面表示できる場合は帳簿への記載に代えられます。クラウドへ入力しているという事実だけでは足りず、事務所別、年度別、取引別の法定事項を欠かさず、保存期間中に読み出し、明確に印刷できる状態が必要です。
実務では、権限管理、変更履歴、定期バックアップ、退職者アカウント停止後の閲覧可否、サービス終了時の移行形式も決めます。これらはすべてが条文に同じ言葉で列挙された要件という意味ではなく、法定期間中の表示・閲覧・保存を途切れさせないための管理策です。紙を減らしても、記録の完全性と取り出しやすさは減らせません。
| 対象 | 公式解釈で示された条件 | 運用で確認すること |
|---|---|---|
| 従業者名簿 | 法定事項を記録し明確に紙面表示可能 | 請求時に紙面または画面で閲覧可能 |
| 取引帳簿 | 法定事項を記録し明確に紙面表示可能 | 事務所・年度・取引を検索可能 |
| 保存基盤 | 法定期間を満たす状態を維持 | 権限・履歴・バックアップ・移行 |
13業者票のデジタルサイネージは、確認可能性と常時案内の要件を満たす
国土交通省は、デジタルサイネージ等のICT機器による宅地建物取引業者票について、一定要件を満たせば書面掲示と同等の役割を果たすと解釈しています。営業時間内など公衆が必要なときに標識を確認できること、画面の内外を問わず標識を確認できる旨を常時分かりやすく表示すること、所定の標識様式に従うことが基本です。
案内所等で使用する別記様式第11号・第30号は、営業時間外でも人感センサーや画面操作により表示できることが求められます。周辺環境への配慮から一定時間消灯する場合は、サイネージ周囲にインターネット上で標識を閲覧できる旨を掲示し、営業時間外はオンライン閲覧の措置を講じる条件が示されています。
スライドショーの数秒だけ業者票が現れる、メニューの深い場所へ入り操作方法が分からない、通信障害で表示できない状態は、必要時の確認可能性を損ないます。導入時は対象となる様式、画面寸法と表示状態、停電・故障時の代替、営業時間外要件を免許行政庁へ確認し、書面掲示を安易に撤去しないでください。
| 要件 | 確認内容 | 避ける運用 |
|---|---|---|
| 必要時に確認可能 | 営業時間内など公衆が表示できる | 故障・通信待ちで長時間見られない |
| 常時案内 | 標識を確認できる旨が分かりやすい | 操作方法が表示されない |
| 所定様式 | 場所に応じた様式を使用 | 独自デザインで必要項目を省く |
| 営業時間外 | 様式第11号・第30号は所定対応 | 営業終了と同時に確認不能 |
14採用・異動・退職・決算・免許更新を一つの更新表で連動させる
書類の不一致は、個別の担当者が注意するだけでは防ぎにくいものです。採用時は証明書の採番・発行、本人交付、名簿記載を連動させます。異動時は証明書の事務所表示、異動元と異動先の名簿、専任宅建士の人数、業者票を確認します。退職時は証明書回収、名簿の終了日、最終記載日と保存満了日を記録します。
取引時は契約書類の完成だけでなく、担当事務所の帳簿へ所定事項を記載します。事業年度末には帳簿を閉鎖し、一般区分と自ら売主の新築住宅区分を分けて保存満了日を設定します。免許更新・商号変更・代表者変更・事務所変更の後は、行政庁の名簿だけでなく業者票と社内様式をまとめて点検します。
毎月または四半期など社内で決めた頻度の監査は、法定の一律回数を示すものではありません。重要なのは、二週間以内の名簿記載、取引の都度の帳簿記載、変更後の表示更新を、それぞれの期限内に確認できることです。法定期限と社内点検頻度を分け、社内ルールが法定期限より遅くならないようにします。
| 出来事 | 直ちに確認する物 | 期限・次の確認 |
|---|---|---|
| 採用・業務開始 | 証明書、従業者名簿 | 業務前携帯、名簿は事由から2週間以内 |
| 事務所間異動 | 証明書裏面、両事務所の名簿 | 旧情報を追える形で更新 |
| 退職・業務終了 | 証明書回収、名簿終了日 | 最終記載日から10年保存 |
| 取引成立 | 担当事務所の帳簿 | 取引の都度記載 |
| 事業年度末 | 帳簿の閉鎖・保存区分 | 5年または10年を設定 |
| 免許・会社情報変更 | 業者票、報酬額表の現行性 | 行政届と表示を連動 |
15試験では『誰が・どこに・誰へ・いつまで』の四列で比較する
宅建試験では、正しい制度の説明を別の書類へ入れ替える肢が作られます。『事務所ごとに備える』は名簿と帳簿、『従業者本人に携帯させる』は証明書、『公衆の見やすい場所に掲示する』は業者票と報酬額表です。動詞を先に囲むと、長い問題文でも対象を戻せます。
次に相手を見ます。証明書は取引関係者の請求時に提示し、名簿は取引関係者の請求時に閲覧へ供します。帳簿へ同じ閲覧義務を移さないことが得点の分かれ目です。最後に二週間、5年、10年などの数字を起算点と結びます。
一問一答では、制度名だけを答えず、誤りの理由を一文にしてください。例えば『従業者名簿は退職から5年保存する』なら、『最終記載から10年であり、退職日から5年ではない』と直します。事務所と専任宅建士の論点では、業者票の記載と人数変更も合わせて確認すると知識がつながります。
| 対象 | 誰が・どこに | 誰へ・見え方 | 期限・期間 |
|---|---|---|---|
| 従業者証明書 | 従業者本人が携帯 | 取引関係者へ請求時提示 | 有効期間5年以下 |
| 従業者名簿 | 業者が事務所ごとに備付 | 取引関係者へ請求時閲覧 | 事由から2週間以内、最終記載から10年 |
| 取引帳簿 | 業者が事務所ごとに備付 | 各取引を記録 | 年度末閉鎖後5年、所定の新築住宅は10年 |
| 業者票 | 業者が事務所等へ掲示 | 公衆から見やすく | 変更時に現状へ更新 |
| 報酬額表 | 業者が事務所ごとに掲示 | 公衆から見やすく | 現行告示へ更新 |
16今日やること:五つの書類を一枚の管理表にして事務所単位で照合する
実務で確認するなら、事務所ごとに従業者証明書の発行者、従業者名簿の最終記載日、帳簿の対象年度と保存区分、業者票の様式・更新日、報酬額表の告示版を一枚にします。個人情報そのものを一覧へ複製するのではなく、原本の所在、責任者、次回確認日、保存満了日を管理します。
次に、任意の一人を選び、雇用年月から証明書番号が付されているか、証明書の事務所と名簿の事務所が一致するか、名簿の職務・宅建士区分・在籍日が最新かを追います。任意の一取引では、契約を扱った事務所の帳簿へ記載され、年度末の保存区分まで設定されているかを確認します。
試験学習では、下の事務所・専任宅建士の論点を開き、『証明書=携帯・提示』『名簿=備付・閲覧・10年』『帳簿=取引ごと・5年または10年』『業者票・報酬額表=掲示』を声に出して再現します。その後に○×問題を解き、主語・場所・相手・期限のどこを入れ替えられたかを記録してください。
よくある質問
宅建の従業者証明書は誰が携帯しますか?
宅建業の業務に従事する者が携帯します。国土交通省の解釈では、代表者、非常勤役員、一時的な事務補助者も範囲に含まれます。一時従事者は従事期間に限った証明書を発行し、発行した者は従業者名簿にも記載します。
従業者証明書と宅建士証は同じ物ですか?
同じ物ではありません。従業者証明書は宅建業者の従業者であることを示し、宅建業務中に携帯して取引関係者の請求時に提示します。宅建士証は登録を受けた宅建士であることを示し、重要事項説明時の提示など別の役割があります。
従業者証明書の有効期間は何年ですか?
別記様式第8号の備考では、有効期間を5年以下とします。必ず5年間に固定するのではなく上限が5年です。一時的に業務へ従事する者の証明書は、その業務へ従事する期間に限って発行します。
宅建の従業者名簿は何年保存しますか?
従業者名簿は最終の記載をした日から10年間保存します。事務所ごとに備え、一時的に業務へ従事する者も記載し、記載すべき事由が生じた場合は2週間以内に反映します。
宅建の取引帳簿は何年保存しますか?
取引帳簿は各事業年度末に閉鎖し、原則として閉鎖後5年間保存します。ただし、宅建業者が自ら売主となる新築住宅に係る帳簿は10年間です。従業者名簿の最終記載から10年という起算点と混同しないでください。
宅地建物取引業者票はデジタル画面だけでもよいですか?
国土交通省は、必要なときに公衆が確認できること、標識を確認できる旨を常時分かりやすく示すこと、所定様式に従うことなどの要件を満たすデジタルサイネージを認める解釈を示しています。場所・様式により営業時間外の要件もあるため、導入前に免許行政庁へ確認してください。
この記事の参照元
法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。
- 北陸地方整備局「宅地建物取引業免許後における義務等」確認日 2026年8月3日別画面で開く
- 国土交通省「宅地建物取引業の様式集」確認日 2026年8月3日別画面で開く
- 国土交通省「別記様式第8号・従業者証明書」確認日 2026年8月3日別画面で開く
- 国土交通省「別記様式第8号の2・従業者名簿」確認日 2026年8月3日別画面で開く
- 国土交通省「宅地建物取引業者票様式(令和7年12月1日以降)」確認日 2026年8月3日別画面で開く
- 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(令和8年4月1日施行版)」確認日 2026年8月3日別画面で開く
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法施行規則」確認日 2026年8月3日別画面で開く