分野別対策2026年度試験対応
宅建業免許とは?知事・大臣の違いと新規・更新・変更手続【2026年版】
『宅建の免許』には、宅建業者が事業を営むための宅地建物取引業免許と、個人が宅建士として働くための資格登録・宅建士証が混同されがちです。この記事は会社・個人事業者側の宅建業免許だけを扱い、事業の範囲、事務所の所在、新規・更新・変更の時系列から免許権者と手続きを判定します。
- 公開日
- 2026年8月3日
- 更新日
- 2026年8月3日
- 読了目安
- 約21分
- 法令基準日
- 2026年8月3日

宅建業免許は、宅地・建物の売買や交換を自ら業として行う、または売買・交換・貸借の代理や媒介を業として行う者に必要です。事務所が一つの都道府県内だけなら都道府県知事、二つ以上の都道府県にあるなら国土交通大臣が免許権者です。有効期間は5年で、継続する場合は満了日の90日前から30日前までに更新し、商号・役員・事務所・専任宅建士等の変更は原則30日以内に届けます。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 宅建業免許と個人の宅建士登録を分ける
- 事務所の都道府県数で知事・大臣を判定する
- 新規・更新・変更届・免許換えを時系列で管理する
- 免許取得後の保証制度・標識・帳簿まで確認する
01結論:宅建業免許は、取引内容と事務所の都道府県数で決める
宅建業免許の判定は二段階です。まず、行う事業が宅地建物取引業に当たるかを見ます。次に、事務所が一つの都道府県だけか、二つ以上の都道府県にまたがるかで、都道府県知事免許と国土交通大臣免許を分けます。
取引する物件の所在地や営業エリアの広さで免許権者を決めるのではありません。東京都の一事務所から全国の物件を媒介しても、事務所が東京都内だけなら知事免許の区分です。東京都と神奈川県に事務所があれば、物件が東京都だけでも大臣免許の区分になります。
免許を受けた後も、有効期間5年の更新、登録事項の変更届、事務所範囲が変わる場合の免許換え、営業保証金または保証協会、標識、従業者証明書、帳簿などが続きます。免許証を受け取る日だけでなく、事業開始後の管理まで設計します。
申請先や必要資料は免許権者と申請区分によって異なります。全国共通の法令で要否と期限を押さえたうえで、実際に申請する地方整備局または都道府県の最新手引を確認してください。古い様式、別の行政庁の添付書類一覧、宅建士個人向けの案内を混ぜず、相談日と確認先も申請管理表へ残します。
02宅建業免許と宅建士の資格登録・宅建士証は別制度
宅建業免許は、事業者が宅地建物取引業を営むための許可です。法人でも個人でも申請できます。宅建士の資格登録は、試験合格者が都道府県の資格登録簿へ登録される個人側の制度で、宅建士証はその登録者が法定業務を行うための証です。
会社の代表者が宅建試験に合格していても、会社が宅建業を営むには会社として免許を受けます。反対に、会社が宅建業免許を持っていても、従業員全員が宅建士になるわけではありません。事務所には法定割合を満たす専任宅建士を置きます。
手続名に『免許』『登録』『証』が並ぶため、申請先と費用も混ざります。事業者の免許番号と、個人の宅建士登録番号は別です。試験の問題でも、誰が変更を届けるのかを先に置くと数字を取り違えにくくなります。
| 項目 | 宅建業免許 | 資格登録 | 宅建士証 |
|---|---|---|---|
| 主体 | 会社・個人事業者 | 試験合格者個人 | 登録を受けた個人 |
| 目的 | 宅建業を営む | 資格登録簿へ登録 | 宅建士の法定業務を行う |
| 主な基準 | 事業・事務所・欠格等 | 合格・実務・欠格等 | 登録・講習等 |
| 有効期間 | 5年 | 証の期間とは別 | 5年 |
03宅地・建物の売買等を業として行うと免許の対象になる
国土交通省は、宅地または建物の売買、交換、売買・交換・貸借の代理、売買・交換・貸借の媒介を業として行うものを宅地建物取引業として示しています。自ら売主となる反復継続的な分譲も、他人の取引を仲介する業務も対象です。
『業として』は、登記上の業種名だけで決まりません。取引対象、相手方、目的、頻度、継続性などから実態を確認します。一度の資産処分か、仕入れて不特定多数へ継続的に売る事業かで意味が違います。計画段階で免許行政庁へ事業スキームを示して相談します。
代理と媒介では、売買・交換だけでなく貸借も免許対象です。賃貸物件の契約を貸主と借主の間で継続して仲介する事業は、自ら貸す場合と分けます。取引名に『コンサルティング』と付けても、実態が媒介なら名称だけで対象外にはなりません。
| 立場 | 売買 | 交換 | 貸借 |
|---|---|---|---|
| 自ら当事者 | 業として行えば対象 | 業として行えば対象 | 自ら貸すだけなら原則対象外 |
| 代理 | 対象 | 対象 | 対象 |
| 媒介 | 対象 | 対象 | 対象 |
04自ら貸す行為と、貸借の代理・媒介を区別する
自分が所有する建物を自ら賃貸するだけの行為は、宅建業法が示す宅地建物取引業の取引類型に含まれません。一方、他人の物件について貸主を代理し、または貸主と借主を媒介することを業として行うなら免許の対象です。
サブリース、転貸、管理委託、入居者募集が組み合わさる事業では、契約書の名称だけで自ら貸主か媒介かを決めません。誰が賃貸借契約の当事者となり、誰のために条件交渉や契約成立を補助し、報酬を受けるかを契約ごとに確認します。
自社物件の一回の売却も、常に免許不要と断定できるわけではありません。事業として仕入れ・分譲を行う計画なら、個々の契約を一件ずつ切り離さず全体を見ます。判断が境界にある場合は、営業開始前に管轄行政庁へ具体的事実を示します。
06支店名ではなく、継続的に宅建業を行う事務所かを見る
事務所は、商業登記や看板の有無だけで決まりません。本店・支店のほか、継続的に宅建業の契約を締結する権限を持つ使用人が置かれる場所など、法令と運用基準に照らして実質を確認します。
一時的な案内所、モデルルーム、現地販売所は、事務所とは別の届出・標識・専任宅建士の設置判断が関係します。設置期間や契約申込みの受理を行うかで必要手続が変わるため、常設事務所の数へ単純に足しません。
自宅を本店にする、他社と同居する、共有オフィスを使う場合は、独立性、継続使用の権原、接客・契約スペース、標識掲示、帳簿保管、専任宅建士の常勤性を確認します。住所だけ借りる形では、実際の事務所要件を満たせません。
07申請前に、欠格要件・専任宅建士・事務所・保証制度をそろえる
免許申請では、申請者、役員、政令で定める使用人等に欠格要件がないかを確認します。申請書や添付書類に重要な虚偽記載や記載欠落がある場合も免許を受けられません。古い役員名簿や略歴を流用せず、基準日時点の事実をそろえます。
事務所には、宅建業に従事する者五人につき一人以上の割合で専任宅建士を置く必要があります。人数は会社全体ではなく事務所ごとに確認します。専任宅建士本人の資格登録、宅建士証、常勤性、他業務との兼務も審査対象です。
免許取得後、営業を開始するには営業保証金の供託と届出、または宅地建物取引業保証協会への加入等を確認します。免許証を受け取った直後から無条件に契約業務を開始できると考えず、営業開始の前提を工程表へ入れます。
| 確認群 | 主な対象 | 確認の証拠 | 混同しやすい点 |
|---|---|---|---|
| 人的要件 | 申請者・役員・使用人 | 身分・略歴・誓約等 | 宅建士個人の欠格だけではない |
| 専任宅建士 | 事務所ごとの法定割合 | 資格・常勤・人数 | 会社全体で計算しない |
| 事務所 | 使用権原・独立性・設備 | 契約・図面・写真等 | 登記住所だけでは足りない |
| 営業開始 | 保証制度・届出 | 供託または協会手続 | 免許証受領と開始可能日は別 |
08新規免許は、事業計画から申請書・添付資料を一致させる
新規申請では、商号、代表者、役員、株主等、政令使用人、事務所、専任宅建士、事業経歴や資産等を、現行の様式に沿って記載します。法人登記、賃貸借契約、組織図、写真、本人資料で表記や日付が一致するかを確認します。
事務所写真は内装完成前の空室写真ではなく、行政庁が求める掲示・執務・接客環境を確認できる状態で準備します。レンタルオフィスや住居併用の場合は、入口、区画、固定電話、来客対応、書類保管など、個別行政庁の基準を先に読みます。
申請日から免許、保証制度、営業開始までには審査と追加資料の時間があります。開業広告、物件募集、契約予定日を先に確定しすぎると、免許前の営業行為につながるおそれがあります。行政庁へ工程を確認してから外部告知日を決めます。
- 1.事業内容が宅建業に当たるか相談する
- 2.事務所配置から免許権者を決める
- 3.専任宅建士と役員等の要件を確認する
- 4.現行様式と添付資料を一致させる
- 5.免許後の保証制度を終えて営業を開始する
09免許は5年ごとに、満了90日前から30日前までに更新する
宅建業免許の有効期間は5年です。国土交通省は、満了後も引き続き宅建業を営む場合、満了日の90日前から30日前までに更新申請を行う必要があると案内しています。満了日ではなく更新受付期間の開始日と終了日を管理します。
更新は、免許証のコピーを差し替えるだけではありません。前回申請後の役員、株主等、政令使用人、事務所、専任宅建士、事業実績、財務資料、処分歴等を現状へ合わせます。未提出の変更があれば、更新申請と同時に初めて書くのではなく、行政庁へ処理順を確認します。
期限内に申請しても、補正を放置すれば手続が止まります。受付番号、担当窓口、補正期限、追加資料、旧免許証の扱いを記録します。更新後は、新しい有効期間に合わせて標識や社内台帳、Web表示を見直します。
| 時点 | 確認すること | 成果物 |
|---|---|---|
| 満了半年前 | 未届変更・役員等・専任者 | 差分一覧 |
| 90日前 | 受付開始・様式・手数料 | 提出日確定 |
| 30日前まで | 申請受付と補正 | 受付控え |
| 更新後 | 免許番号・期間・標識 | 表示と台帳の更新 |
10商号・役員・事務所・専任宅建士等の変更は30日以内に届ける
宅建業者名簿の登載事項に変更があった場合、宅建業者は原則として変更から30日以内に届けます。北陸地方整備局は、商号・名称、代表者・役員・政令使用人・専任宅建士、事務所の名称・所在地を主な対象として案内しています。
変更日は、社内で決めた日、登記完了日、就任日、移転日が同じとは限りません。変更項目ごとに法的な発生日を確認し、登記や宅建士本人の手続を待つ間も期限を失わないよう行政庁へ相談します。
専任宅建士の交代では、会社の免許名簿変更と、本人の資格登録簿の勤務先変更が並行します。事務所移転では、事務所要件、保証制度の手続、標識、帳簿、広告表示も連動します。一枚の変更届だけで全て終わったと判断しません。
11事務所の県数が変わるときは免許換えを検討する
知事免許の業者が別の都道府県にも事務所を設置して二都道府県へまたがる場合、大臣免許への免許換えが関係します。大臣免許の業者が一都道府県だけへ事務所を集約する場合は、その都道府県知事免許への区分変更を確認します。
単なる支店追加の変更届と決めつけず、新しい事務所の開設日、専任宅建士、保証制度、旧免許、新免許の効力を免許行政庁へ確認します。免許換え前に新拠点で宅建業を始めると、必要な免許区分と実態がずれるおそれがあります。
宅建士個人が他県へ勤務する場合の『登録の移転』とは別制度です。宅建業者の免許換えは事業者と事務所配置、宅建士の登録移転は個人と就業先都道府県が主語です。同じ転勤・支店開設で両方が関係しても、申請を分けます。
| 変更前 | 変更後 | 検討する免許 | 別に確認すること |
|---|---|---|---|
| 一県の知事免許 | 二県に事務所 | 大臣免許への免許換え | 新事務所・専任者・保証 |
| 大臣免許 | 一県へ集約 | 当該知事免許への免許換え | 廃止拠点・帳簿・標識 |
| 一県の知事免許 | 同じ県内で移転 | 知事免許を維持し変更 | 所在地・事務所要件 |
12大臣免許はeMLIT、知事免許は対応行政庁を確認する
国土交通省は、2024年5月25日から大臣免許の新規・更新、名簿登載事項変更、免許証書換え・再交付、営業保証金届、廃業等、業務場所届などのオンライン受付をeMLITで開始しています。大臣免許手続は地方整備局等へ直接申請する仕組みに変わりました。
知事免許と宅建士関係手続は、都道府県ごとに順次対応です。eMLITの選択肢や別の電子申請があるか、添付書類の原本提出、手数料支払、代理申請に対応するかを各都道府県の案内で確認します。
オンライン申請でも、入力内容を証明する書類の正確さは同じです。送信前のPDF、受付通知、補正連絡、最終通知を案件フォルダへ保存し、画面上の送信済み表示を免許取得や変更完了と読み替えません。
13免許後は保証制度・標識・証明書・名簿・帳簿を運用する
免許取得後は、営業保証金の供託と届出、または保証協会の手続を終えてから営業開始条件を確認します。事務所ごとに報酬額表と宅地建物取引業者票を掲示し、従業者へ従業者証明書を携帯させます。
従業者名簿と取引帳簿は事務所ごとに備え、異動や取引の都度更新します。専任宅建士の人数、標識の記載、行政庁の名簿、Webサイトの会社情報がずれないよう、変更届の完了後に表示物を一括点検します。
免許は一度取れば終わる資格ではなく、事業者情報と現場運用を継続して一致させる制度です。更新前だけ書類を整えるのではなく、採用、退職、移転、役員変更、取引ごとに証拠を残します。
14免許手続で起きやすい六つの取り違えを防ぐ
第一は宅建士個人の登録との混同、第二は物件所在地で免許権者を決めること、第三は登記上の支店だけで事務所を判定することです。第四は免許証受領日を営業開始日と同じにすること、第五は更新時に未届変更をまとめること、第六はオンライン送信を完了と考えることです。
これらは、主体、対象、発生日、完了条件を一枚にすると防げます。申請者は会社か個人事業者、対象はどの事務所か、変更はいつ効力を生じたか、行政庁のどの通知で完了するかを記録します。
行政庁ごとに申請方法や添付資料の運用が異なる部分があります。国土交通省の全国制度を理解した後、免許権者の最新手引へ移り、古い様式や別県のチェックリストをそのまま使わないでください。
15今日やること:取引類型と事務所地図を一枚にする
最初に、自ら売買・交換、代理、媒介のどれを行うかを書きます。次に、契約権限を持つ担当者、専任宅建士、帳簿、標識を置く予定の拠点を地図へ落とし、都道府県数を数えます。これで免許要否と免許権者の相談材料ができます。
その地図を持って免許行政庁へ相談し、事務所要件、申請区分、現行様式、保証制度、営業開始までの工程を確認します。物件募集や契約開始日を先に公表せず、免許と保証の完了から逆算します。
試験学習では、免許、事務所、専任宅建士、営業保証金、変更届を取引開始前の一続きで整理します。数字だけでなく、誰がどの行政庁へ何をいつまでに行うかを問題で確認してください。
よくある質問
宅建業免許と宅建士免許は同じですか?
同じではありません。宅建業免許は会社・個人事業者が宅地建物取引業を営むための制度です。試験合格者個人は、資格登録と宅建士証交付を受けて宅建士として法定業務を行います。申請主体、番号、要件、更新を分けてください。
全国の物件を扱うと国土交通大臣免許になりますか?
物件所在地や営業範囲だけでは決まりません。宅建業を営む事務所が一つの都道府県内だけなら知事免許、二つ以上の都道府県にあるなら国土交通大臣免許です。オンライン対応の範囲ではなく事務所の実態で判定します。
自分のアパートを貸すだけでも宅建業免許が必要ですか?
自ら所有物件を貸すだけの行為は、宅建業の取引類型には原則含まれません。ただし他人の貸借を代理・媒介する、売買を反復継続して行うなど別の事業が組み合わさる場合は判断が変わるため、具体的契約を免許行政庁へ示してください。
宅建業免許の有効期間と更新期間は?
有効期間は5年です。満了後も引き続き宅建業を営む場合、国土交通省は満了日の90日前から30日前までに更新申請する必要があると案内しています。未届変更、補正、標識更新も含めて早めに準備します。
会社の役員や専任宅建士が変わったらいつ届けますか?
宅建業者名簿の対象事項である役員、政令使用人、専任宅建士、商号、事務所等の変更は、原則として変更から30日以内に届けます。登記日や就任日が異なる場合があるため、発生日と提出順を免許行政庁へ確認してください。
宅建業免許はオンライン申請できますか?
大臣免許の新規・更新や変更届等はeMLITのオンライン受付対象です。知事免許は対応する行政庁と手続範囲が都道府県ごとに異なります。電子申請でも原本郵送や補正が残る場合があるため、受付後の完了通知まで追跡してください。
この記事の参照元
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