分野別対策2026年度試験対応
宅建「法令上の制限」の覚え方|難しい数字暗記は比較表で整理する
法令上の制限は、なじみのない法律名と数字が続くため、最初は最も難しく感じる分野です。しかし出題の型は毎年ほぼ同じで、条件を表に揃えれば安定して得点できます。この記事では、頻出の数字を混同せずに覚える手順を具体化します。
- 公開日
- 2026年7月31日
- 更新日
- 2026年7月31日
- 読了目安
- 約8分
法令上の制限は「理解より整理」の分野です。制度ごとに「どの区域で・何をすると・どの規模から・許可か届出か」を同じ順番の表に揃え、数字は必ず場面とセットで覚えます。まず開発許可の面積基準、農地法3・4・5条、国土利用計画法の届出面積から固め、8問中6点前後を目標にします。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 法令上の制限8問の出題内訳と、優先して固める法律
- 開発許可・農地法・国土利用計画法の頻出数字の覚え方
- 似た数字を混同しないための比較表の作り方
- 直前期に暗記を仕上げる回し方
01結論:法令上の制限は「理解より整理」で得点源になる
法令上の制限が難しいと感じるのは、能力の問題ではなく、学び方が分野の性質に合っていないことが原因です。都市計画法、建築基準法、農地法、土地区画整理法、盛土規制法、国土利用計画法と、日常生活で触れない法律が短い章に次々と登場し、区域名と数字が文章のまま流れていくため、読むだけでは記憶に残りません。
一方で、出題の型は毎年ほぼ変わりません。「どの区域で」「誰が」「何をすると」「どの規模から」「許可か届出か」の組み合わせを問う問題が中心で、権利関係のような事例読解や利益衡量はほとんど要求されません。制度の背景を深く理解するより、判断に使う条件を同じ順番で表に揃える「整理」が先に立つ分野です。
整理さえ済めば、法令上の制限は本番で迷いにくい分野に変わります。問題文から区域と行為を拾い、表の該当欄を思い出して照合するだけで正誤を判断できるからです。この記事では、8問の内訳、頻出数字の覚え方、比較表の作り方、直前期の回し方の順で手順を具体化します。
- 1.8問の出題内訳を知り、優先する法律を決める
- 2.開発許可・農地法・国土利用計画法の数字を先に固める
- 3.制度ごとに「区域・行為・規模・要否」の比較表を作る
- 4.○×問題で、数字を場面ごと思い出す練習をする
- 5.直前1〜2週間は暗記表を短時間で毎日回す
028問の出題内訳|どの法律を優先するか
法令上の制限は、例年50問中8問の出題です。内訳は年度により変動しますが、都市計画法と建築基準法が各2問で半分を占め、残りを農地法、土地区画整理法、盛土規制法、国土利用計画法などが1問ずつ分け合う構成が目安になります。
この内訳から、学習の優先順位が決まります。まず都市計画法(特に開発許可)と建築基準法で4問分の土台を作り、農地法と国土利用計画法は「1問あたりの論点が狭く、数字を覚えれば取りやすい問題」として確実に拾います。土地区画整理法と盛土規制法は、頻出の基本論点に絞って対策します。
過去問を分野別に解くと、同じ制度の同じ条件が言い換えで繰り返し問われていることが分かります。年度別に通して解く前に、法令上の制限だけをまとめて解き、問われ方の型を先に知ることをおすすめします。
| 法律 | 出題数の目安 | 頻出論点 | 対策の型 |
|---|---|---|---|
| 都市計画法 | 2問 | 開発許可、区域区分、地域地区、都市計画の内容 | 開発許可の面積基準と許可不要行為を表で固定 |
| 建築基準法 | 2問 | 建築確認、道路・接道義務、用途制限、建ぺい率・容積率 | 区域と規模の組み合わせを整理し、計算は手順で覚える |
| 農地法 | 1問 | 3条・4条・5条の許可と届出 | 3つの条文を1枚の比較表にする |
| 土地区画整理法 | 1問 | 仮換地、換地処分、建築行為の制限 | 手続の時系列に沿って効果を整理 |
| 盛土規制法 | 1問 | 規制区域、許可・届出、土地所有者等の責務 | 区域名と手続の対応を確認 |
| その他 | 1問 | 国土利用計画法の事後届出など | 届出面積と届出義務者を暗記 |
03数字暗記の型①:開発許可の面積基準は「線引き」を軸に覚える
法令上の制限の数字で最初に固めるべきは、都市計画法の開発許可の面積基準です。ほぼ毎年のように問われるうえ、後述する国土利用計画法の届出面積と混同しやすいため、先にこちらを確定させます。
覚える軸は「線引きの内か外か」です。市街化区域は小規模でも市街化が進む場所なので1,000㎡以上で許可が必要、市街化調整区域は市街化を抑える場所なので面積を問わず許可が必要、と理由とセットにすると忘れにくくなります。線引きのない区域(非線引き都市計画区域・準都市計画区域)は3,000㎡以上、都市計画区域にも準都市計画区域にも入らない区域は1ha(10,000㎡)以上と、規制が緩い場所ほど基準が大きくなる並びです。
問題を解くときは、面積の前に「そもそも開発行為に当たるか」「許可不要の例外に当たるか」を確認します。開発行為は、建築物の建築などの用に供する目的で行う土地の区画形質の変更です。この定義に当たらなければ、面積がいくら大きくても開発許可は不要です。なお、面積基準は条例で引き下げられる場合がありますが、本試験ではまず原則の数字で判断します。
- 市街化調整区域だけは面積基準がなく、規模を問わず許可の対象
- 「1,000・3,000・3,000・10,000」を区域の並びとセットで口に出す
- 面積より先に、開発行為の定義と許可不要の例外を確認する
| 区域 | 許可が必要となる規模 |
|---|---|
| 市街化区域 | 1,000㎡以上 |
| 市街化調整区域 | 面積を問わず必要 |
| 非線引き都市計画区域 | 3,000㎡以上 |
| 準都市計画区域 | 3,000㎡以上 |
| 都市計画区域・準都市計画区域のいずれでもない区域 | 1ha(10,000㎡)以上 |
頻出論点を一枚で思い出す
画像を見た後は、論点解説と○×問題で判断条件まで確認できます。
04数字暗記の型②:農地法は3・4・5条を1枚の表で覚える
農地法は例年1問の出題ながら、覚える範囲が狭く、比較表が最も効く得点源です。3条・4条・5条を別々に読むと混乱しますが、「権利が動くか」「農地でなくなるか」の2つの軸で並べると、1枚の表に収まります。
3条は、農地を農地のまま売買・貸借するなど権利だけが動く場面で、許可権者は農業委員会です。4条は、自分の農地を自分で農地以外に転用する場面、5条は、転用目的で権利を移す場面で、いずれも許可権者は都道府県知事等です。「農地のままなら農業委員会、農地でなくすなら知事等」と対応させると迷いません。
最重要の例外が市街化区域内の特例です。市街化区域内の農地について4条・5条の転用を行う場合は、あらかじめ農業委員会に届け出れば許可は不要になります。市街化区域は市街化を進める場所なので、転用のハードルが下がると理解すると覚えやすい規定です。一方、3条にはこの特例がなく、市街化区域内でも許可が必要です。この非対称が繰り返し出題されます。
- 「農地のままなら農業委員会、転用が絡めば知事等」と対応させる
- 市街化区域内の届出特例は4条・5条のみ。3条には適用されない
- 問題文では、当事者より先に「権利移動か転用か」を判定する
| 条文 | 場面 | 権利移動 | 転用 | 原則の手続 | 市街化区域内の特例 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3条 | 農地を農地のまま権利移動 | あり | なし | 農業委員会の許可 | 特例なし(許可が必要) |
| 4条 | 自分の農地を転用 | なし | あり | 都道府県知事等の許可 | あらかじめ農業委員会に届出すれば許可不要 |
| 5条 | 転用目的で権利移動 | あり | あり | 都道府県知事等の許可 | あらかじめ農業委員会に届出すれば許可不要 |
頻出論点を一枚で思い出す
画像を見た後は、論点解説と○×問題で判断条件まで確認できます。
05数字暗記の型③:国土利用計画法の届出面積は開発許可と並べて覚える
国土利用計画法の事後届出は、届出が必要となる面積さえ覚えれば正解できる問題が多く、費用対効果の高い論点です。市街化区域は2,000㎡以上、市街化区域以外の都市計画区域は5,000㎡以上、都市計画区域外は10,000㎡以上の土地売買等の契約で、権利取得者が契約締結後2週間以内に届け出ます。
つまずきやすいのは、開発許可の「1,000・3,000・10,000」との混同です。対策は、隠すのではなく並べることです。市街化区域だけを取り出すと、開発許可は1,000㎡以上、事後届出は2,000㎡以上と1行で対比できます。「開発許可は1・3・10、国土利用計画法は2・5・10」と2つの数列をセットで口に出すと、片方だけ思い出せない状態を防げます。
建築確認の規模要件も、法令上の制限の数字暗記の柱の一つです。ただし建築基準法の改正で建築確認の対象区分は見直されているため、規模の数値は必ず受験年度に対応した教材で確認してください。古い過去問の数値をそのまま暗記すると、現行法とずれるおそれがあります。区域との組み合わせ(都市計画区域内では原則として建築確認が必要になる等)という判断の型は変わらないため、型を先に固め、数値を最新版で上書きする順番が安全です。
- 届出をするのは権利取得者(買主側)。契約締結後2週間以内
- 「開発許可は1・3・10、事後届出は2・5・10」と数列で対にする
- 建築確認の規模の数値は、受験年度対応の教材で最新版を確認する
| 区域 | 届出が必要となる面積 |
|---|---|
| 市街化区域 | 2,000㎡以上 |
| 市街化区域以外の都市計画区域 | 5,000㎡以上 |
| 都市計画区域外 | 10,000㎡以上 |
06比較表の作り方と、直前期の回し方
ここまでの3つの型に共通するのは、数字を単独で覚えず、「制度名・区域・行為」とセットの表にしていることです。この作り方は他の論点にもそのまま使えます。
6.1比較表は「列の順番」を全制度で固定する
自分で表を作るときは、縦に制度、横に「区域・行為・規模・許可か届出か・例外」の順で列を固定します。どの制度でも同じ順番で埋めると、問題文を読む順番も同じになり、本番で条件を拾う速度が上がります。
表は作って終わりにせず、翌日に白紙へ再現します。全部書ける必要はなく、思い出せなかったマスだけに印を付ければ、次に覚えるべき箇所が特定できます。数字カードを作る場合も、表側に「市街化区域で開発行為をする場合」のように場面を書き、裏に数字を書く形式にします。数字だけのカードは、本番で「どの制度の数字だったか」を思い出せなくなります。
- 列は「区域・行為・規模・要否・例外」で固定する
- 翌日に白紙へ再現し、書けなかったマスだけ復習する
- カードは場面を表、数字を裏にする
6.2直前期は「暗記表10分+○×10問」を毎日回す
法令上の制限は、直前期の伸びが大きい分野です。理解の積み上げを待つ論点が少なく、表の再現度がそのまま得点に反映されるからです。試験2週間前からは、暗記表の確認10分と法令上の制限の○×問題10問を毎日のセットにして、忘却の谷を作らないようにします。
○×問題では、正誤だけでなく「どの数字・どの区域を根拠に判断したか」を口に出します。誤答した問題は、表の該当マスへ戻って印を付け、翌日にもう一度解きます。試験前日は新しい問題を増やさず、印の付いたマスだけを最終確認します。
よくある質問
宅建の法令上の制限は何問出題されますか?
例年、50問中8問が出題されます。内訳は年度で変動しますが、都市計画法2問・建築基準法2問・農地法1問・土地区画整理法1問・盛土規制法1問・その他1問が目安です。6〜7点を学習上の目標にします。
法令上の制限はいつから勉強を始めればよいですか?
宅建業法の一巡と並行して、週に数回触れる形で早めに始めます。暗記の比重が大きい分野なので、直前期だけに詰め込むより、比較表を早めに作って繰り返すほうが定着します。仕上げは試験2週間前からの毎日の反復で行います。
法令上の制限は難しいので捨てても合格できますか?
8問を捨てると、他の分野でほとんど失点できなくなり、現実的ではありません。法令上の制限は事例読解が少なく、条件の整理で得点できる分野です。開発許可・農地法・国土利用計画法など、覚える範囲が狭い論点から拾えば、捨てずに得点源へ変えられます。
数字がどうしても覚えられません。どうすればよいですか?
数字を単独で覚えるのをやめ、「市街化区域で開発行為をする場合は1,000㎡以上」のように、制度名・区域・場面とセットにします。混同しやすい数字は隠さず並べて対比し、覚えた翌日に白紙へ表を再現して、書けなかった箇所だけを復習します。最後に○×問題で、場面から数字を思い出す練習をします。
開発許可と国土利用計画法の面積はどう区別すればよいですか?
市街化区域だけを取り出して、開発許可は1,000㎡以上、国土利用計画法の事後届出は2,000㎡以上と1行で対比します。そのうえで「開発許可は1・3・10、事後届出は2・5・10」と数列をセットで覚えると、本番で片方だけ曖昧になる状態を防げます。
都市計画法と建築基準法はどちらから勉強すべきですか?
都市計画法から始めることをおすすめします。都市計画法で「どこに何を建ててよい場所か」という地図側のルールを押さえると、建築基準法の用途制限や建築確認が、その地図の上での建物側のルールとして位置付けやすくなるからです。
試験形式・日程の参照元
試験日程や申込み方法は変更される場合があります。受験前には必ず実施機関の最新案内を確認してください。

